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メンタルヘルス通信
88号 「ストレートネック、座りすぎ、ブルーライト」
メンタルヘルス通信 No.88のお知らせ
今号のメンタルヘルス通信は、連載企画『スマホ依存・ネット依存・ゲーム依存』の第4回、
テーマは「ストレートネック、座りすぎ、ブルーライト」です。
スマホ、ネット、ゲームのし過ぎで生じる症状や問題について、
身体・心・社会生活それぞれへの影響を見ていきます。
メンタルヘルス通信は、イントラネットへの掲載やプリントアウトしての配布など、
従業員の皆様へのメンタルヘルス啓発活動などにご活用ください。
【PDF版】
【テキスト版】
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NO.88 連載「スマホ依存・ネット依存・ゲーム依存」④
ストレートネック、座りすぎ、ブルーライト
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<<身体への影響>>
① 首や肩のコリ・痛み ~ストレートネック~
スマートフォンをしていると、顎(あご)が少し突き出て覗き込むような姿
勢になります。この姿勢になると、首は自然なカーブを描くのではなく、
真っ直ぐになります。通称「ストレートネック」と言いますが、首から肩に
かけての負担がいつも以上に大きくなってしまい、コリや痛みの原因となり
ます。
② 座りすぎ、運動不足
ネットをしていて、さらに座る時間が増えたという方も多いのではないで
しょうか。早稲田大学の岡教授は、現代の日本人は座る時間が長く、この座
りすぎが健康リスクを高めていることを指摘しています。
実際、オーストラリアでは、座る時間が1日4時間未満の人たちと比べ、
11時間以上の人たちは死亡するリスクが40%も高かったという調査結果
が出ています。
座る時間が長くなれば、運動する時間も減ってしまい、運動不足になります。
③ 目への影響 ~ブルーライト~
長時間連続して画面を見続けることは、視力の低下だけではなく、結膜炎
やドライアイなどの目の異常や、めまいを引き起こす原因ともなります。
さらにVDT症候群*になると、肩こり、だるさ、イライラ、不安、落ち込み
やうつ、などの症状が出ることがあります。
*VDT(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)症候群とは、ディスプレイ、キーボード
を使用した作業を長時間続けたことによって起こる病気のことです。テクノ
ストレス眼症とも呼ばれます。
スマートフォン、パソコン、ゲーム機器、TVなどのディスプレイ
では、明るさを強調するために「ブルーライト」を強く発光させています。
太陽光と同じく紫外線を含み、目に負担がかかります。このため、画面を
長時間見続けることによって、若い人でも、目のピント調節がうまくいか
ない老眼のような症状に悩むこともあります。
④ 睡眠への影響 ~ブルーライト、概日リズム障害~
スマートフォンに熱中してしまい、夜寝る時間が遅くなると、生活リズム
が乱れ、健康にも影響が出てきます。
寝る前に画面からブルーライトを浴び過ぎると、寝つきや睡眠の質も悪く
なってしまいます。夜間に長時間浴びると体内時計に悪影響を及ぼすためです。
こういったなか、近年、概日リズム睡眠・覚醒障害が増えてきています。
<<心への影響>>
ネット依存は心にも影響を及ぼします。ネット依存によって「無気力」
「イライラ」などが起こりやすくなります。
また、ここにきて、ネット依存によって、記憶力や集中力が低下する
という「デジタル認知症」の可能性が取り沙汰されてきています。
デジタル認知症については、ネットの影響と結論づけるまでには至っていませ
んが、その使用し過ぎに注意するに越したことはないでしょう。
<<社会生活への影響>>
ネット依存となると、リアルな人間関係が二の次になるだけではなく、
ネットを取り上げられることでキレてしまうなど、大事な人間関係にひびが
入ってしまうことがあります。
症状が重くなっていくと、心身への影響も相まって、社会生活をまっとうに
送ることができなくなってしまいます。
特に子どもは依存しやすく、ネット依存により不登校になってしまう例も
多く、社会問題にまでなっています。
新行内勝善 (精神保健福祉士)
連載「スマホ依存・ネット依存・ゲーム依存」 (全5回)
第1回【①1日でどのくらいスマホ、見てますか?】はこちら
第2回【②ホントに怖くなってきたネット依存】はこちら
第3回【③ネット依存の原因は心のスキマ】はこちら
第5回【⑤ネット依存からの脱出 ~予防,回復,再発防止~】はこちら