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メンタルヘルス通信 No.89のお知らせ

2017.12.14

メンタルヘルス通信 No.89のお知らせ

今号のメンタルヘルス通信は、連載企画『スマホ依存・ネット依存・ゲーム依存』の最終回、
テーマは「ネット依存からの脱出 ~予防、回復、再発防止~」です。 

メンタルヘルス通信は、イントラネットへの掲載やプリントアウトしての配布など、
従業員の皆様へのメンタルヘルス啓発活動などにご活用ください。

【PDF版】
メンタルヘルス通信No.89(PDF)

【テキスト版】
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NO.89 連載「スマホ依存・ネット依存・ゲーム依存」⑤ 最終回
     ネット依存からの脱出 ~予防,回復,再発防止~
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横綱日馬富士の引退は、とても残念な結末でした。横綱白鵬に叱られて
いた幕内力士がスマホを操作していて、そのことに腹を立てた日馬富士が
手を出してしまって…、ということのようです。このようにスマホをきっ
かけに、人間関係を壊してしまうことは実は少なくありません。

連載最終回の今回は、ネット依存の予防、回復、再発防止についてまと
めます。スマホに振り回されずに、私たち自身がコントロールできるよう
にしていきましょう。

<<一次予防 ~普段から気をつける~>>

一次予防とは、一般にいう「予防」です。ネット依存にならないための
予防のポイントは、

① 自己肯定感を持つ

依存になりにくい人の特徴に、自己肯定感の高さがあります。自己肯
定感とは、自分にOKを出すことです。失敗したからといって自分に対し
てダメ出しをキツくし過ぎたり、人格否定までしてしまったりすると、
自己肯定感を持てなくなってしまいます。

② 「居場所」や「逃げ場」があること

連載3回目で依存の原因は「心のスキマ」とあげました。心のスキマを
広げないようにするためには、ネットやゲームではない「現実世界」に
自分の居場所があることが大変重要です。また、何かつらいことがあった
ときに逃げられる場所が、現実世界にあることも大事です。甘えたり、
頼ったり、相談できる人間関係があると心強いものです。

③ 趣味を持つ

ネットやゲーム以外に楽しめる趣味を持ちましょう。 

④ 自分をよく知っておく

ネット依存になりやすいパーソナリティとして、「凝り性」「パソコン
やデジタル好き」などがあげられます。自分のことをよく知り、自分が陥
りやすい穴に注意していくことで、ネット依存に限らず、未然に問題を防
ぐことができるようになります。

<<二次予防 ~早期発見・早期対処~>>

二次予防とは、早期発見・早期対処で事態が深刻になってしまうのを
防ぐことです。

① 自分の状況を客観的につかむ

人の声に素直に耳を傾けたり、ネット依存のチェックリストを使って、
自分の状況を客観的に見ていきましょう。また、自分の1日の行動記録を
付けて、ネットやゲームを何時間やっているか把握してみたり、自分の
スマホでアプリの利用時間を調べてみましょう。

② 依存傾向があったら、マイルールを決めよう
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必要以上に利用し過ぎないように、マイルールを決めましょう。また、
人間は意思が弱い面もありますので、物理的に出来ないようにすること
も有効です。

【マイルール例】
「10時以降はネットやゲームをしない」
「人と話しているときはスマホを触らない」
「食事のときはスマホを手の届かないところに置く」
「歩きながらスマホをしない、するなら立ち止まる」

【物理的制限例】
「スマホの通信量(ギガ)を少なく変更」
「家でWIFI接続できないようにWIFI契約を解約」

③ デジタルデトックス

デトックスとは解毒という意味ですが、ネット、スマホ、ゲーム漬けの
毒抜きをしましょう。

・生活習慣を整える:
 生活リズム、睡眠、食事、運動など、基本的生活習慣を整える。
 体内時計調整やセロトニン活性化のため、朝陽を浴びることは大変有効。

・自然、アウトドア:
 森林浴、砂浴、温泉、紅葉狩り、アウトドアキャンプなど

・運動:
 運動・スポーツ、筋トレ、ストレッチなど

・リラックス:
 マッサージ、呼吸法、アロマテラピー、読書・絵画・音楽芸術鑑賞など

・手作業、ものづくり
 トランプ、昔遊び、手芸、お絵かき、日記を紙に書くなど

④ 自分探しやカウンセリング

依存の背景にあるストレスやフラストレーションを理解し対処することで、
依存に振り回されることを防ぎます。本やセミナーで学ぶのもよいですが、
マンツーマンのカウンセリングはさらによいでしょう。

<<三次予防 ~治療回復と再発防止~>>

三次予防とは、病気からの治療と回復、そして再発防止です。
依存症にまでなってしまったら、自分だけで回復するのは困難です。
専門のクリニックで治療したり、カウンセラーに相談しましょう。
「ネット依存外来」があるところがよいでしょう。なお、日本で最も著名
なネット依存外来は、国立病院機構久里浜医療センターにあります。

また、依存で現れた身体の不調は、それぞれの科で診てもらいましょう。
眼精疲労など目の不調は眼科、ストレートネックや肩こりは整形外科、
不眠・頭痛などは内科(子どもは小児科)です。

再発防止については、二次予防の内容を参考にしてください。

新行内勝善 (精神保健福祉士)

連載「スマホ依存・ネット依存・ゲーム依存」 (全5回)
第1回【①1日でどのくらいスマホ、見てますか?】はこちら
第2回【②ホントに怖くなってきたネット依存】はこちら
第3回【③ネット依存の原因は心のスキマ】はこちら
第4回【④ストレートネック、座りすぎ、ブルーライト】はこちら

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