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メンタルヘルス通信 No.81のお知らせ

2017.05.08

メンタルヘルス通信 No.81のお知らせ

今号からのメンタルヘルス通信は、いつもと趣向を変え、
全4回のシリーズで、『ミニレクチャー「マインドフルネスって何!?」』を取り上げます。
第3回目の今号は、「マインドフルネスの成り⽴ちから“シベリア北鉄道”まで」についてお届けします。

TVや雑誌などで「マインドフルネス」を目にする機会が多くなっている昨今ですが、
今回は改めて、その成り立ちについて触れるとともに、
「マインドフルネス」の実践編として「アンガーマネジメント」の手法についても、
ポイントをお伝えしております。

メンタルヘルス通信は、イントラネットへの掲載やプリントアウトしての配布など、
従業員の皆様へのメンタルヘルス啓発活動などにご活用ください。

【PDF版】
メンタルヘルス通信No.81(PDF)

【テキスト版】
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NO.81 ミニレクチャー「マインドフルネスって何︕︖」
      ③「成り立ちから”シベリア北鉄道”まで」
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ミニレクチャー「マインドフルネスって何!?」では、これまで「脳の
パフォーマンス」や「マインドフルネスの効果」の観点からお話して
きました。

今回は、あらためて「マインドフルネスの成り立ち」についてポイント
をまとめています。さらに、マインドフルネスの実践編として、現在
注目されてきている「アンガーマネジメント」について、ポイントを
お伝えしたいと思います。

<<慢性的な痛みやストレスを和らげる>>

マインドフルネスの産みの親と言えば、マサチューセッツ大学医学大学
院教授のジョン・カバットジン博士です。分子生物学の研究者であった
博士は、禅、ヨガなどを通じてさまざまな瞑想体験を実践し、効果を
実感していました。そして1979年、瞑想を伝統的な医療に役立てる
アイデアを思いつき、開発したプログラムが、「マインドフルネス・
ストレス低減法(MBSR)」です。

これは、慢性的な痛みやストレスを和らげることを目的としたもので、
参加者は8週間にわたって、毎日最低45 分の瞑想をしながらいくつかの
セッションに参加し、瞑想についての理解を深めていきます。

<<瞑想体験を「標準化」したMBSR>>

MBSRは、明らかにそれまでの宗教的な瞑想とは性格を異にするもの
でした。博士は、さまざまな瞑想に共通する要素として「注意」と
「気づき」を抽出し、宗教色を排したプログラムを組み立てました。

なお、「注意」と「気づき」というところから、博士は一般には「注意
深さ」という意味合いの「マインドフルネス」をプログラム名に冠しました。
ここで博士は宗教色を排するためにも、あえてこの言葉を使ったとも
述べています。

こうして博士は、いわば、瞑想体験を「標準化」し、バックグラウンド
に関係なく、誰もがこのプログラムに参加すれば、慢性的な痛みやスト
レスを軽減できるプログラムを作り上げたのです。

現在、MBSRは世界中、700 以上の診療所で導入されてきており、
一般的なプログラムとして市民権を得てきています。このMBSRが、
現在用いられている「マインドフルネス」の発端になりました。

<<いじめ防止、ハラスメント対策に>>

治療にも役立てられることから始まったマインドフルネスですが、
現在、ストレス対策として、また心や体を安定させるためのトレーニング
として、広く普及してきています。

その対象も、大人だけではなく、子どもにも広げています。子どもたち
がマインドフルネスを実践することにより、いじめや差別が減ってきて
いる
という報告も出てきています。

いじめや差別とありましたが、筆者は、企業のメンタルヘルス対策の柱
のひとつとして、昨今重要度を増している「ハラスメント対策」に、
マインドフルネスの活用を
提案したいと思います。実際、グーグルなど
では「シベリア北鉄道」というプログラムがあり、怒りのセルフコン
トロールに役立てています。


<<「シベリア北鉄道」で心を調整>>

グーグルでは、感情的になることを「扁桃体がハイジャックされた」と
言っています。脳の器官である扁桃体は、恐怖・不安・悲しみなどの情動を
司っています。イライラしたり感情的になっているときや、細かいことに
ストレスを感じて冷静でいられないときなど、おすすめしたい対処法が、
この「シベリア北鉄道」なのです。

・シ(S):ストップstop…いったん思考や行動を停止する
・ベ(B):ブレスbreathe…深く呼吸をする
・北(North):ノーティスnotice…自分の心に注意を向ける
・鉄道(Rail Road):リフレクトreflect…熟考する
          レスポンドrespond…反応する

心をかき乱されるようなことがあって動揺したとき、すぐに「怒り」
といった反応を起こすのではなく、(1)まずは、その反応の原因となる
思考や行動を意識的にストップしてみます。(2)次に呼吸や身体に注意
を向け、深い呼吸を30 秒~1 分位してみます。呼吸が落ち着いてきたら、
(3)どのような行動をするとよいかを冷静になった頭で考えてみます。
(4)そして最後にアクションを起こします。

つい感情的になってしまうなどお悩みの方は、一度試してみてはいかが
でしょうか。

*参考文献:人見ルミ著『心を整える マインドフルネスCD ブック』あさ出版

東京メンタルヘルス 新行内勝善(精神保健福祉士)

マインドフルネス ミニレクチャー (全4回)
第1回【①脳のパフォーマンスが上がらないとき】はこちら
第2回【②マインドフルネスの効果】はこちら
第4回【④マインドフルネスで起こる脳内の変化】はこちら

●関連情報
当社マインドフルネス研修についてはこちらをご参照ください。
 ※リンク先[スキルアップ・テーマ別研修]にてご紹介

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