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メンタルヘルス通信
67号 「5月病(6月病)を乗り越える」
<5月病(6月病)を乗り越える>
担当からゴールデンウィークについて、何か書け、という話しがあった。「あいよ」と安請け合いしたものの、 熊本を中心とする九州地方の地震の最中に、ゴールデンウィークをテーマにすることには気がひける。
通常なら、ゴールデンウィークには由布院も黒川温泉も別府も阿蘇連山も多くの観光客で賑わっているはず。
おそらく地元民もそれを見込んでいたであろう。
ゴールデンウィークはキャンセルの電話に対応するどころか、被災者を受け入れる施設として準備をしなければならないのではないか。
おそらく県も国もそのような対策を取るであろう。
今回の地震は14日の震度7の初震(前震)で、数多くの被災者を出したが、2回目の地震ではさらに多くの犠牲者を出してしまった。
後にこれが本震であった事が気象庁から知らされる。
住民にとっては、初震(前震)が大きかっただけに「これで終わった」「もう大丈夫」と思ったのである。
この
「もう大丈夫だ・・・」
「あっ電気がついた」
「家に帰ろう」
といった安堵感に伴う過小評価する気持ちが働いたのではないか。
これを社会心理学では「正常化バイアス(normalcy bias)」と言う。
今回も、ほっとして家に帰り、寝ていた隙に本震に見舞われた人たちが多かった。
でも、我々は危機的状況の中で自分を防衛し、他人を安心させるために、無意識に「大丈夫だよ」「もう心配しなくていい」と言いきかせてしまうことがあるものだ。
東京メンタルヘルス 代表 武藤清榮