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メンタルヘルス通信
メンタルヘルス通信臨時号「次世代EAPの姿とは?」

<次世代EAPの姿とは?>
ストレスチェックが法制化されて3年を超え、
健康経営やポジティブメンタルヘルスに関連したご相談をいただく機会が増えてきました。
メンタルヘルスに対してネガティブなイメージが今なお根強いところはありますが、
ほんの数年前まで、二次・三次予防のサービスが事業の大半だったことを考えると、
時代の流れの変化を強く感じます。
コミュニケーション環境も、近年、めまぐるしい変化を遂げています。
ある調査(※)では、ネットユーザーに占めるLINEの利用率が、
2018年末で80%を超えたそうです。
2011年に誕生して10年も経っていないわけですから、本当に驚くばかりですね。
【※「2018年度SNS利用動向に関する調査」(ICT総研)】
あらためて言うまでもないことですが、今やLINEは、メールや電話にとって代わって、
若い世代のコミュニケーションの中心を担うツールとなっています。
メンタルヘルスの理解が進み、コミュニケーション環境が大きく様変わりするなかで、
EAPサービスもまた、進化させていかなければなりません。
次世代のEAPにふさわしい姿とは、いったいどのようなものなのでしょうか?
弊社では、EAPサービスを「教育」「相談」「見守り」「復職」の4つの柱に
カテゴライズしていますが、今回はそのうちの2つ、「相談」「見守り」について、
現在そしてこれからの取り組みをお伝えできればと思います。
まずは「相談」からお話しします。
状態が悪化してしまってから、カウンセリングを利用されるケースが、
今なお多い傾向にあります。「このままだとしんどくなってしまいそうだな」と感じた時に、
外部に相談できていれば、それだけご本人の復調も早まるのですが、
いざ外部の相談機関を利用するとなると、緊張や抵抗感が生じてしまうのではないでしょうか。
友人や家族に悩みを打ち明けるとしても、頻繁に時間を作ってもらうことは、
気兼ねもあって難しいかと思います。
カウンセラーへの来談や電話相談それぞれに長所がありますが、
例えば、喫茶店や電車の中といったスキマ時間や、帰宅後のリラックスした時間に
気軽に利用できるような相談サービスを提供する意義は大きいものと考えます。
そうした意味でも、SNSやチャットは、まさにうってつけのツールでしょう。
これらのツールを通じて、カウンセラーと一度コンタクトが取れていれば、
電話や対面相談にも抵抗が少なくなってくると感じていますし、
相談するエネルギーが落ちてしまう前に、こちら側から背中を押してあげることも可能です。
現在弊社では、自殺対策やいじめ対策など、官庁・自治体の
SNS相談(チャットカウンセリング)事業を多数受託しています。
このコラムを書いているまさに今も、寄せられた多くのご相談の対応に
SNSカウンセラーの皆さんが奮闘しています。
また企業・学校向けに、社外相談窓口の次世代型サービスとして、
気楽にグチを吐きだしてもらうチャット相談サービスを提供しています。
カウンセラー側にとっては、電話や対面相談に比べると、
テキストを読み取る作業が非常に大変なのですが、利用の気軽さや利便性を支持しています。
15年以上ストレスチェックサービスを実施してきた経験から申し上げると、
年に1回のストレスチェックは、従業員のメンタルをサポートするにはとても不十分です。
結果に全く問題が無かったにもかかわらず、受検した数か月後にメンタル不調で
離職や休職したといった事例を、数多く耳にして参りました。
弊社では、メンタル状態を気分で表すお天気マークで毎日チェックして勤怠と
連動させることで、従業員の見守りを手間なく実施できる
「コンケア(コンディションケア)」というHRサービスを提供しています。
クラウドサービスですので、時間や場所を選ばず見守ることが可能です。
昨年5月には、NHKのクローズアップ現代で、コンケアを共同開発した
株式会社エクスブレーンの石田社長が出演され、開発経緯や実績も紹介されました。
コンケアでは、特許を取得した技術により「いつもと違う」状態をいち早く発見、
相談ダイヤルやチャット相談の利用を案内するだけでなく、その時々の気分の状態に
応じた教育動画の閲覧を促すサポートも行っています。
そのため、弊社が提供しているサービスのなかで、このコンケアは最も一次予防に
特化したサービスといえるでしょう。
適切な見守りが出来ていると、初動対応としての早期発見・早期支援もスムーズに
行うことができます。おかげさまで多くのお客様から、ストレスチェックでカバーできない、
従業員の日々のメンタルサポートにお役立て頂いています。
私は、カウンセラーとして対面相談と電話相談に長く携わっていますが、目の前の
クライアントが何を求めているのか、その支援で何がベストかを常に模索しています。
時代のニーズに応じたEAPサービスを世に送り出していくことはもちろんですが、
「ピンチをチャンスに」という言葉にある通り、「喜怒哀楽の波」に気づき、
その乗り越え方を身につけていただく支援を通じて、
その方にとっての成長に貢献していきたいと考えています。
東京メンタルヘルス株式会社
専務取締役兼法人事業部長
武藤 収
●関連情報
・東京メンタルヘルスの企業, 団体向けの外部相談窓口サービスでは、
オプションサービスとして、SNS相談(チャットカウンセリング)がございます。
詳しくはお気軽にお問い合わせ下さい。⇒お問い合わせはこちら
・学校, 教育機関向けのSNS相談(チャットカウンセリング)サービスはこちら