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メンタルヘルス通信

2023年5月22日

101号 「『7つの感情知るだけで楽になる』発刊!」

本号特集「『7つの感情知るだけで楽になる』発刊!」<メンタルヘルス通信 No.101>

笑顔咲ク、メンタルヘルス通信、臨時特別号!

今号は、怒り・不安・恐怖・抑うつ・悲しみ・寂しさ・罪悪感という感情について、玉井仁カウンセリングセンター長の執筆です。

嬉しくない感情として体験することが多いこれらの感情ですが、大切な感情でもあるとのこと。
又、辛い、負の時間をしのぐ手立て、それらの感情の調整方法についても記載しております。

自分の性格について知り、自分の性格に振り回されない為にとても有益な内容です。

ぜひご一読ください!

メンタルヘルス通信は、イントラネットへの掲載やプリントアウトしての配布など、
従業員の皆様へのメンタルヘルス啓発活動などにご活用ください。

【PDF版】
メンタルヘルス通信_第101号(PDF)

【テキスト版】
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NO.101 臨時特別号!『7つの感情知るだけで楽になる』発刊!
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玉井仁著『7つの感情知るだけで楽になる』
本書では,怒り・不安・恐怖・抑うつ・悲しみ・寂しさ・罪悪感という感情を取り上げて,それらがどのように人の中で働いているのかについて説明をしています。

<<嬉しくない、失くしてしまいたい感情>>

本書で取り上げているこの7つの感情は,嬉しくない感情として体験されることが多いものです。
実際の心理カウンセリングの場面でも,しばしば出会うものであり,それらの感情が強すぎて制御不能に感じられることで,自己否定感に陥っている人も少なくありません。

また、それらの感情は,失くしてしまいたいと思う人もいるようですが,実際に失くなってしまうと困る,大切な感情でもあります。

怒りという感情がうまくコントロールできずに悩む人は少なくありませんが,この怒りという感情は自分や大切なものを守るために大切な役割を担っています。

小さいころから,「怒ってはいけません」と言われてきた人などは、「怒ってしまう自分はダメなんだ」と捉えてしまいがちです。怒りという感情を持つことは自然で有益でもあるのですが,その感情が強すぎて制御不能に陥った場合のコトだけが取り上げられてしまっているとも言えるでしょう。

怒りという感情は,自他に向かい破壊的なエネルギーとなることもあるために,アンガーマネジメントなどの取り組みも社会的に注目を集めたこともあります。

そして,怒り以外の感情,例えば不安という感情も人の行動に大きな影響を及ぼしています。
どの感情も,私たちの今の状態・状況を教えてくれるものであり,私たちの深い欲求など,大切なメッセージを運んでくれているのです。

<<感情をうまく調整できるようになる>>

感情をうまく調整できるようになるためには、まずその感情のことを正しく知ること,そしてその感情を避け過ぎずにちゃんと体験して,馴らしていくことも大切です。

この本でも紹介していますが,体験している感情の主観的な強さを0から10などの数字で測るスケーリングという練習も,その感情を体験した時の適切な対応を学習するための一歩となります。

感情が弱いときには「少し(その感情が)あるな、でも放っておいても大丈夫」という自覚だけで充分かもしれません。強い時には,事前に決めておいた対処法を思い出して実践する,その様な
取り組みを日々の中に取り入れていくことで,少しずつその感情を体験した時の対処の幅が広がるのです。

<<自分の性格だからどうしようもない>>

どのような感情であれ,とても強い負の感情を体験した時には「どうしようもない」と感じてしまいがちです。
その時に,「この感情のメッセージは何だな」とまでは冷静になれないとしても,「この感情も時間と共に通り過ぎる」ことを思い出せるだけでも,その時間をしのぐ手立てにはなります。

感情に飲み込まれたままの行動で,極端に疲弊したり後悔するようなことに陥っている人の中には,これは自分の性格だからどうしようもない,と思い込んでしまっている人も少なくありません。

確かに,自分が圧倒されて飲み込まれてどうしようもないように感じさせられてしまう感情は、その人の性格とも繋がっていることが多いでしょう。

性格は変えられない,つまり別人にはなれないものですが,その感情に飲み込まれすぎない、そして性格に振り回されすぎないようにはなれるのです。

私たちは,子どもの頃から様々な学習を積み重ね、絶えず新しい対処を身に着けてきているのです。
そのような成長を自らに促す取り組みをもう一歩進めるために,自分が圧倒されてしまいやすい感情を理解し、その対処力を少しずつ上げていただく第一歩にして頂ければと思います。

玉井仁(臨床心理士、公認心理師、精神保健福祉士)東京メンタルヘルス・カウンセリングセンター長


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