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メンタルヘルス通信

東京メンタルヘルス通信臨時号

2016年8月15日
メンタルヘルス通信

 

<性をどう生きるか②~ノンセクシャルを生きる~>

ある日、私のところに「自分は女性にモテない。これでは人生に暗雲が漂うばかりで、生きがいもない」と訴えるクライエントが来談された。
  
「モテる」とは、よく言われているように、人(異性・同性)から興味関心を持たれ、性的存在として魅力に富んでいることの意である。また性的存在とは、「会いたい」「一緒にいたい」といった愛慕の情や、「触れたい」など身体接触の欲求や期待を持たれる対象を指している。

 

このクライエントは、自分はそういった存在ではなかった、とこれまでを思い返していた。周りから求められてこなかったこと、必要とされてこなかったことが、性を生きる自信を失わせていたことに気づいていった。どうせ自分はモテないという思い込みが、異性に対して働きかける気力を低下させていたようである。

 

「あなたの人生にはどのような性が憑りついているのですか」とさらに投げかけてみると、クライエントは性に関する不快な体験を山ほどあげつらった。性に対して心や身体で反応する能力や、性的な喜びを体験する能力をすっかり抑圧・抑制しあきらめていたのである。言うならば性のうつ病にかかっていたとでもいったところだろうか。

 
逆説に真理ありで「性を無視して生きてみてはどうでしょう」と、クライエントに奨めたところ、溜飲が下がったようで喜んで帰られた。
 
                               東京メンタルヘルス 所長 武藤清栄


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