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メンタルヘルス通信
愛とAIと人間らしさ〜チャット相談の場合〜
本号特集「愛とAIと人間らしさ〜チャット相談の場合〜」<メンタルヘルス通信No.105>
笑顔咲ク、メンタルヘルス通信、105号!
本年も残すところあとわずかとなりましたね。
清水寺が発表した2023年の漢字は「税」でしたが、ここでは「愛」を選びました。
AIの読みを「あい」とかけている一方で、生成AIに足りないものが象徴的に「愛」となるのではないかと考えています。
「AIとこころの相談」について、ぜひご一読ください!
メンタルヘルス通信は、イントラネットへの掲載やプリントアウトしての配布など、
従業員の皆様へのメンタルヘルス啓発活動などにご活用ください。
日頃、メンタルヘルス通信をご活用いただきありがとうございます。
本年も大変お世話になりました。よき年を迎えられますことを心より祈念しております。
【PDF版】
メンタルヘルス通信_第105号(PDF)
【テキスト版】
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NO.105 愛とAIと人間らしさ~チャット相談の場合~
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清水寺発表の2023年の漢字は「税」でしたが、ここでは「愛」を選びました。
この1年はChatGPTから始まり,Microsoftのbing,GoogleのBard等,生成AIが普及していった1年でした。
「愛」を選んだのはAIの読みを「あい」ともかけていますが,生成AIに足りないものは,象徴的に「愛」となるのではないかと考えています。
<<AI普及後も生き残るであろう仕事は?>>
AI普及後,自分の仕事はどうなっていくのか,気になるところをAIに投げかけてみました。
Q.生成AI普及後も生き残る職業とは,どんな仕事でしょうか?
さまざまな意見や予測があるとの前置きをしつつ,生成AIがこたえた仕事の具体例にあがったのは「デザイナーや作家,エンジニアや教師,医師やカウンセラー」でした。その理由説明として,大きく3点(以下)あげていました。
1 定型業務ではなく,創造性や感性が必要な仕事
2 AIと協働することで,人間の能力を高める仕事
3 人間とのコミュニケーションや感情のやりとりが重要な仕事
(GPT-4を使用したCopilot(bing.com)回答より一部抜粋)
定型業務や単純労働などは加速度的に、AIやロボットに置き換わっていくのではないかと思われますし,一般的な知識やノウハウやハウツーを調べるのは生成AIが得意とするところでしょう。
逆に,生成AIがあげた,上記123の3つの仕事は現時点において生成AIには難しいものと考えられていると言えるでしょう。
<<生成AIとこころの相談>>
筆者が生成AIを利用している中で役に立っているのは,例えば,一般的な知識など下調べをするとき。
生成AIは,迅速かつ正確に一般的な知識やノウハウを回答してくれます。
さらに質問の仕方を上手に工夫することで,自分が必要な知識を効率的に集めることができます。しかし,一般的なものには大変強い生成AIですが,個別具体的なことまでは対応してくれません。
例えば,こころの相談の話は,似たように見える話はあれども,どれひとつとして同じ話はありません。また,同じ状況にあったとしても,そこでの心の反応(認知,感情,行動)は十人十色。
さらに,同じ人が同じような状況に再度あったとしても,そこでの反応が同じということは決してありません。
時間も,天気も,状況も,人も,人の心も常に変化しています。
<<AIと人間らしさの違い>>
生成AIにこころの相談をしたことは何度もあります。
返信はとても迅速に,しかも心情に寄り添いつつ,とてもまっとうな返答をしてくれます。けれども,こころの相談ということで採点するとなると,何かが物足りないところであり,50点位になるのでしょうか,と思っています。
何が足りないのかなというと,生身の人間に心からの関心をもって聞いてもらうことであったり,心から理解してもらうことであったり,自分の話に反応して心を動かしてくれて,その反応をこちらに返してもらうことであったり,といったことでしょうか。
それはチャットのやりとりではどのようなところに現れるかというと,言葉選びや文章であったり,話のスピードや間・リズムに現れるのでしょう。
AIは誤字脱字や言い間違えはしませんが,人はどんなに気をつけても誤字脱字はしますし,言い間違えもあれば,言葉が足りないこともあります。けれども,そういった不完全なところも含めて人間らしさがあるとも言え,AIではない人のチャットのデジタル文字からは温度感や表情が伝わってくるのでしょう。
東京メンタルヘルスでは,新たにチャット相談を行っています。
これまでは外部相談室として法人契約をしていただくことで,対面相談・電話相談・メール相談を行っていましたが,2023年より人によるチャット相談を開始しました。チャット相談は,スマホがあれば場所を選ばずにどこからでも相談できますので,現代に適した相談手段として好評です。
新行内勝善(精神保健福祉士,公認心理師)