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メンタルヘルス通信 No.83のお知らせ

2017.07.03

この6月30日に、厚生労働省が昨年度の「過労死等の労災補償状況」を公表しましたが、
今号のメンタルヘルス通信では、その公表概要をまとめたほか、
労災認定の原因で最多となった”パワーハラスメント”(パワハラ)について、
その発生の背景などを掘り下げています。

メンタルヘルス通信は、イントラネットへの掲載やプリントアウトしての配布など、
従業員の皆様へのメンタルヘルス啓発活動などにご活用ください。

【PDF版】
メンタルヘルス通信No.83(PDF)

【テキスト版】
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NO.83  2016年度 厚生労働省「過労死等の労災補償状況」公表
      「労災請求、認定件数ともに過去最多」
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この6月30日に、厚生労働省は2016年度の「過労死等の労災補償状況」
を公表しました。

<<「パワハラ」原因、はじめて最多に>>

うつ病など「心の病」を発症したことによる労災請求は1,586人と、
4年連続で過去最多を更新しました。また、労災認定は498人で、これ
までで最多だった2014年度(497人)を上回り、こちらも過去最多と
なりました。

労災認定となったのは、原因別では、職場でのパワハラを含む「嫌がらせ、
いじめ、暴行」が74件で、比較可能な2011年度以降で最多
となりました。
次に、生死に関わる病気やけが、極度の長時間労働といった「特別な
出来事」が67件、「仕事内容・仕事量の変化」の63件と続いています。

また、年代別では、20代の増加が目立っています。30代〜50代がそれぞれ
前年度より1〜3人の微減となる中、20代は20人も増え107人となり、
全体の認定件数を押し上げました。一方で年代別に多かった順に並べると、
40代(144人)→30代(136人)→20代(107人)となりました。

<<電通高橋まつりさん母コメント>>

労災認定のうち、自殺や自殺未遂は84人。電通の新入社員で2015年末に
過労自殺した高橋まつりさん(当時24歳)も含まれています。厚労省の
担当者は、労災件数の増加について、「(電通事件で)精神障害が労災
対象になることが周知されたことも要因の一つだ」と述べています。

今回の結果を受け、高橋まつりさんの母:幸美(ゆきみ)さんは、
弁護士を通じてコメントを出しました。全文は次の通りです。

「これほど多くの人が仕事が原因で命を落としたり、健康を損ねてしまっ
 たという事実は本当に悲しいことです。大切な家族を亡くした悲しみは
 決して癒えることはありません。労災認定された人たちは原因がわかっ
 ています。
 労働現場での重大な事故の後ろには多くのヒヤリハットがあり、それを
 見過ごすことなく改善策をとり、同じ様な事故を未然に防ぐことができ
 るでしょう。
 同じように、長時間労働という過重労働の中では、身体も精神も追い詰
 められ死の危険があることもわかっています。この長時間労働という原
 因をなくすことで大切な命や健康を守ることができます。
 これ以上、頑張って生きている人の夢、希望、人生、命を奪わないで欲
 しいと、強く願います。(高橋幸美)」

<<パワハラの背景にフラストレーション>>

労災認定の原因として最多となったパワハラが増えた背景には、さまざま
な要因が考えられます。心理学では欲求不満攻撃説というものがあります。
欲求不満、つまりフラストレーションが溜まると、その解消として攻撃行
動に出るリスクが高まる
、といったものです。

現在の職場は、人手不足、業務量増加、給与の伸び悩みなど、さまざまな
ストレス要因から、フラストレーションがたまりやすくなっています。

一方で、現在の職場では、ストレスを和らげる「ストレス緩衝要因」が脆
弱になってきています。ストレス緩衝要因の中で最も大きなものは、人に
よるサポート。人によるサポートは、情緒的支援と道具的支援の2つに大きく
分けることができます。

情緒的支援とは、親身になって話を聞いたり、相談にのるなどメンタル面
でのサポートです。道具的支援とは、わからない仕事のやり方やコツを
教えてくれたり、大変な仕事を手伝ってくれるといった実務上のサポート
です。

<<職場環境改善のために、今できること>>

こうした職場環境改善のために、必要なのは、ストレスやフラストレー
ションを減らすことであり、またストレス解消の仕方などセルフケアの方法
を身につけていくことです。

このためには、①職場内での人間関係づくりのサポート、②職場内外で相談
できる相談窓口の整備、そして③アンガーマネジメントを含めたセルフケア
教育を進めていくこと
、の3点が特に重要です。

新行内勝善 (精神保健福祉士)

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