メンタルヘルス・コラム

5月・6月病と人間関係

2017.06.02

5月病とか6月病と呼ばれている病気があります。5月の連休明けから6月にかけて発症する精神障害のことです。新入社員が現場に適応できず「リアリティショック」を受け休み出したり、異動してきた職員が、仕事や職場環境に馴染めず、心身に症状を出したりすることです。

TMAの実施したストレスチェックで、最もストレスと答えている項目は「人間関係」です。「人間関係が面倒だ」「人間関係が悪い」「相手の反応が怖い」「無視されたらどうしよう」というのが、その中身です。人間関係が面倒になり、さらに深刻化すると、「ひきこもり状態」になります。ひきこもりの心境は、「もう話にならない」とか「関係を持ちたくない」「周りに対しては不信感でいっぱいだ」などです。人間関係を分析する学問に「交流分析」というのがあるのですが、この中では一番重症な状態と言われています。

人間関係の問題は、何も5月、6月に限ったことではありません。四六時中ある問題です。ただ過去に人間関係で傷つき、トラウマを持っている人は、ちょっとした刺激に対して反応するという特性を持ってしまいます。新入社員や異動してきた社員の中に、過去のトラウマがあったとするなら、周りの冷たい視線や怒鳴り声に反応しやすくなるのは当たり前のことです。

厚生労働省の労働局が窓口になって行っている労働相談では、パワハラを含むいじめ、いやがらせの相談件数が6万6000件(※平成27年度 出典:厚生労働省)を超え、急増しています。対策としては、信頼関係を形成する職場づくりを目指す必要がありますが、この問題は職場に限らず、学校や家庭、地域社会でも求められているところです。

心に傷があり、不安を抱えている人は、そうでない人に比べていじめを多く発見するという調査結果があります。つまり、それだけ過敏になっているということです。

                              東京メンタルヘルス 所長 武藤清栄

※ITmediaビジネスONLiNEの「6月病特集」にて、弊社所長の武藤がインタビュー取材を受けました。
 6月病に立ち向かうヒントとして、「毎日気分を記録するツールを使って、予防する」サービスである
 「コンケア」の他、企業のメンタルヘルス対策における注意点についてもお伝えしています。
 どうぞあわせてご覧ください。インタビュー記事はこちら

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