令和時代の最新! ハラスメント問題の傾向とは
~職場のセクハラ問題を中心に~

2019年07月11日

ハラスメント

職場のハラスメント問題、最近では“Me too”運動の流れもあり、多くの方が気になっていることと思います。また2019年6月、国際労働機関ILOでも、ハラスメントに特化した初めての労働基準が条約として採択されました。
これは契約上の労働者だけでなく、実習生や採用応募をしようとしている状態も含め、女性に限らず全ての人を職場でのハラスメントから保護しよう、というものです。残念ながら日本はまだこの条約に批准していませんが、日本だけでは経済が成り立たないのですから、批准していないからOKということにはならないでしょう。

ところで、私が担当したハラスメント研修でも、気になる女性に声をかけたいけれど、いったいどこからがセクハラになるのでしょうか、といった質問をよく頂きます。
(業務外のお誘いで、どこからがセクハラになるのか…答えと解説は後半に)

こちらが好意を持っていても、相手も同じとは限りませんよね。
それに、勇気を出して嫌だと断っても「嫌よ嫌よも好きのうち」と意に介さない人もいれば、そもそも断れない相手だからこそ、我慢している内にエスカレートしていく被害もあるでしょう。
まずは言われた側、された側が「嫌です」と声を上げる事も大事ですが、相手がそもそもノーなんて言えない関係(あるいは言ったら何か不利になるのでは、と思っている状況も含めて)だからこそ話がこじれている場合もありますので、職場での言動には充分な配慮が必要です。

セクハラ認定がこわいから…といって、女性には声をかけずに男性だけでグループができてしまうと、グループから外れた女性だけ情報が入ってこなくなるなど、例え相手に良かれと思っていても情報格差ができてしまったり、過剰な配慮がトラブルの原因になることも多いです。
またこれは、男女間だけでなく、仕事後のお酒の付き合いに対応できない事情を抱えた男性にとっても起こりえる話です。

多様性という考え方も広がりつつありますが、従来のような大卒・男性・正社員で、滅私奉公のような労働に対応できるメンバーだけが過剰に重宝される状態では、これからの人手不足や、育児・介護をはじめとした従業員のライフイベントの発生などの様々な場面に対応しきれなくなります。

また今は遅くまでの残業に対応できたとしても、65歳の定年まで、怪我も病気も介護の心配もなくバリバリ働ける、という方は少ないでしょう。
定年後の再雇用で正社員でなくなったら、同じ仕事なのに待遇が大幅に低下する、という現象も正社員偏重の裏返しな訳ですから、多様な働き方への対応はどのような状態でも働き続けるための布石ともなるでしょう。

 

■ハラスメントって、どうやって決めるの?

ところで、ハラスメントとは「嫌に思うこと」、だから相手が嫌かどうかで勝手にハラスメント認定されてしまうのでは、これじゃ言ったもん勝ちじゃないか、と過剰に恐れている方も多いと思います。
同じホメ言葉をかけても、「但しイケメンに限る」なんてセクハラ扱いされたら身もフタもない、と思った方もいらっしゃるのでは。
日本ではまだなじみが薄いかもしれませんが、人種問題に敏感な海外では、本人の努力で変えられない容姿や身体的特徴については、そもそも誉め言葉であってもNGとなっています。

相手の気持ちを思いやることももちろん大事ですが、最近では、相手がどう感じたか、というあいまいな基準よりも事実の段階でハラスメントを特定しようという流れが起きています。
例えばマタニティ・ハラスメント(マタハラ)でも、本来使えるはずの制度の活用を妨害することそのものが、相手の感情に関係なくハラスメントである、と法律でも規定されるようになりました。

また、大学や研究機関でのアカデミック・ハラスメント(アカハラ)においても、研究と結婚の二択を迫ったり、指導教員が学生の論文を無断引用すること、単位認定の成績開示に応対しないことなど、事実そのものでハラスメント認定し、実例を挙げてガイドラインで公表している大学もあり、感情論だけではないハラスメント問題の扱いがされてきています。

昨今の過剰なハラスメント意識の高まりで、適切な範囲の指導でさえ被害者意識によってハラスメントと訴えられ、現場が混乱しているケースもちらほら見受けられます。
(ハラスメントの過剰主張によるハラスメント、ハラ・ハラなんて言ってる方もいますね)
上司や指導者にとって適切な指導がしづらくなってしまう環境では、指導される側も、今後の成長の機会を失う原因にもつながります。感情的に被害を訴える前に、まずは一旦、なぜそのような言動がなされたのか、どう指摘されたら良かったのか、落ち着いて考えてから行動する必要があります。

こういったときは、ひとりで考えていても煮詰まってしまいますので、利害関係のない外部専門カウンセラーに相談したり、専門家としての知識やアドバイスをもらうなど、第三者の助けを借りるのも有効な手段です。

 

■職場のセクハラ

職場のセクハラというと、男性から女性、上司から部下、といったパターンがすぐに思い浮かびますが、同性間でも起こりえます。男性の上司が男性の部下を、望まないのに女性が接待する所へ連れて行ったり、先輩女性が後輩女性にプライベートな内容や、出産に関連して性生活の話を根掘り葉掘り聞きだす…等々。
同性間だからこそ相手に自覚がなかったとしても、仕事に関係のない言動で嫌な思いをして、転職を余儀なくされるケースも起きています。

例え悪意がなくても、上司や先輩といった立場があるだけで相手は断りづらくなっています。自分がされて嫌な事はしない、自分が良くても相手が嫌ならしない。相手がもし会社の偉い人だったり、恋人や身内だったらできないような言動は控えた方が良いでしょう。

 

~★ 職場の気になるあの人をお茶や食事に誘いたいけど、どこからがセクハラ? ★~

 

(答え)相手に自由に断る余地があるか、で判断してください。

相手が自由に断れない状況では、例え言葉でOKされて食事などの席に同席していたとしても、心の底から納得しているかどうか判断できません。そのような場合は、業務外の誘い自体がハラスメントと思われる可能性がありますので、こちらから誘うこと自体を考え直した方が良いでしょう。

もし自分の誘いを断ったとしても、あとで評価や雇用、人間関係などで何も不利にならない、と相手が安心できて、自由な選択ができる状況か、よ~く考えてみてくださいね。
上司の誘いを断ったら、その後の評定や給与、不機嫌にさせて仕事に影響するかも…なんて考えたらなかなか断れないですよね。内心では不本意でも、機嫌をそこねないように食事や飲みについて行くでしょう。男性から女性だけでなく、女性の管理職から男性部下へのお誘いでも同様です。

一緒に飲みながら好き放題に会話ができて、楽しいのは自分だけになっていませんか?
年齢やキャリアを重ねたら、相手の言葉だけでなく顔色も確認するなど、相手に無理をさせていないか気を配る必要がありますね。

 

東京メンタルヘルス株式会社

産業カウンセラー

ハラスメント防止コンサルタント

花岡かをり

 

●関連情報
※当社ハラスメント研修についてのご案内は研修ページをご参照下さい。

次世代EAPの姿とは?

2019年05月2日

ストレスチェックが法制化されて3年を超え、
健康経営やポジティブメンタルヘルスに関連したご相談をいただく機会が増えてきました。
メンタルヘルスに対してネガティブなイメージが今なお根強いところはありますが、
ほんの数年前まで、二次・三次予防のサービスが事業の大半だったことを考えると、
時代の流れの変化を強く感じます。

コミュニケーション環境も、近年、めまぐるしい変化を遂げています。
ある調査(※)では、ネットユーザーに占めるLINEの利用率が、
2018年末で80%を超えたそうです。
2011年に誕生して10年も経っていないわけですから、本当に驚くばかりですね。
【※「2018年度SNS利用動向に関する調査」(ICT総研)】

あらためて言うまでもないことですが、今やLINEは、メールや電話にとって代わって、
若い世代のコミュニケーションの中心を担うツールとなっています。

メンタルヘルスの理解が進み、コミュニケーション環境が大きく様変わりするなかで、
EAPサービスもまた、進化させていかなければなりません。
次世代のEAPにふさわしい姿とは、いったいどのようなものなのでしょうか?

弊社では、EAPサービスを「教育」「相談」「見守り」「復職」の4つの柱に
カテゴライズしていますが、今回はそのうちの2つ、「相談」「見守り」について、
現在そしてこれからの取り組みをお伝えできればと思います。

 

●「相談」:“待つ”カウンセリングから“後押し”するカウンセリングへ。悩みを長引かせない取り組み。

 

まずは「相談」からお話しします。

状態が悪化してしまってから、カウンセリングを利用されるケースが、
今なお多い傾向にあります。「このままだとしんどくなってしまいそうだな」と感じた時に、
外部に相談できていれば、それだけご本人の復調も早まるのですが、
いざ外部の相談機関を利用するとなると、緊張や抵抗感が生じてしまうのではないでしょうか。
友人や家族に悩みを打ち明けるとしても、頻繁に時間を作ってもらうことは、
気兼ねもあって難しいかと思います。

カウンセラーへの来談や電話相談それぞれに長所がありますが、
例えば、喫茶店や電車の中といったスキマ時間や、帰宅後のリラックスした時間に
気軽に利用できるような相談サービスを提供する意義は大きいものと考えます。

そうした意味でも、SNSやチャットは、まさにうってつけのツールでしょう。
これらのツールを通じて、カウンセラーと一度コンタクトが取れていれば、
電話や対面相談にも抵抗が少なくなってくると感じていますし、
相談するエネルギーが落ちてしまう前に、こちら側から背中を押してあげることも可能です。

現在弊社では、自殺対策やいじめ対策など、官庁・自治体の
SNS相談(チャットカウンセリング)事業を多数受託しています。
このコラムを書いているまさに今も、寄せられた多くのご相談の対応に
SNSカウンセラーの皆さんが奮闘しています。

また企業・学校向けに、社外相談窓口の次世代型サービスとして、
気楽にグチを吐きだしてもらうチャット相談サービスを提供しています。
カウンセラー側にとっては、電話や対面相談に比べると、
テキストを読み取る作業が非常に大変なのですが、利用の気軽さや利便性を支持しています。

 

●「見守り」:負担をかけず、時間や場所も選ばない、従業員の見守りを実現

 

15年以上ストレスチェックサービスを実施してきた経験から申し上げると、
年に1回のストレスチェックは、従業員のメンタルをサポートするにはとても不十分です。
結果に全く問題が無かったにもかかわらず、受検した数か月後にメンタル不調で
離職や休職したといった事例を、数多く耳にして参りました。

弊社では、メンタル状態を気分で表すお天気マークで毎日チェックして勤怠と
連動させることで、従業員の見守りを手間なく実施できる
「コンケア(コンディションケア)」というHRサービスを提供しています。
クラウドサービスですので、時間や場所を選ばず見守ることが可能です。

昨年5月には、NHKのクローズアップ現代で、コンケアを共同開発した
株式会社エクスブレーンの石田社長が出演され、開発経緯や実績も紹介されました。

コンケアでは、特許を取得した技術により「いつもと違う」状態をいち早く発見、
相談ダイヤルやチャット相談の利用を案内するだけでなく、その時々の気分の状態に
応じた教育動画の閲覧を促すサポートも行っています。
そのため、弊社が提供しているサービスのなかで、このコンケアは最も一次予防に
特化したサービスといえるでしょう。

適切な見守りが出来ていると、初動対応としての早期発見・早期支援もスムーズに
行うことができます。おかげさまで多くのお客様から、ストレスチェックでカバーできない、
従業員の日々のメンタルサポートにお役立て頂いています。

 

●最後に

 

私は、カウンセラーとして対面相談と電話相談に長く携わっていますが、目の前の
クライアントが何を求めているのか、その支援で何がベストかを常に模索しています。

時代のニーズに応じたEAPサービスを世に送り出していくことはもちろんですが、
「ピンチをチャンスに」という言葉にある通り、「喜怒哀楽の波」に気づき、
その乗り越え方を身につけていただく支援を通じて、
その方にとっての成長に貢献していきたいと考えています。

東京メンタルヘルス株式会社
専務取締役兼法人事業部長
武藤 収

●関連情報
・東京メンタルヘルスの企業, 団体向けの外部相談窓口サービスでは、
 オプションサービスとして、SNS相談(チャットカウンセリング)がございます。
 詳しくはお気軽にお問い合わせ下さい。⇒お問い合わせはこちら
・学校, 教育機関向けのSNS相談(チャットカウンセリング)サービスはこちら

「コンケア」がNHK2番組に紹介されました。

2018年05月19日

【番組レビュー】

当社サービス「職場のコンディションマネジメントサービス『コンケア』」が、
NHK「クローズアップ現代+」(5/10)、NHKニュース「おはよう日本」(5/11)に、
それぞれ取り上げられました。

 

約1年ぶりのテレビ取材となる今回は、NHK2番組出演ということで、
コンケア始まって以来、初めての地上波全国放送での出演となりました。

 

「クローズアップ現代+」では、

「五月病」をテーマに、お笑い芸人でIT企業役員の厚切りジェイソンさんや、
漫画家の田中圭一さん(「うつヌケ」作者)らの出演者を交えて、
五月病のメカニズムや体験談、その乗り越え方などを分かりやすく伝えていました。

※番組全体の文字起こしが番組HPにアップされています。リアルタイムで見逃した方はぜひご覧ください。
詳細はこちら⇒http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4127/index.html

01

番組中盤、「”五月病退社を防げ”企業の取り組み」のトピックに移ると、

(アナウンサー)
「……こちら、ご覧ください。

ITベンチャー企業では、社員一人一人の心の健康状態を把握するために、
5年前に心の天気予報というアプリを開発しました。これ、出退勤のときに必ず自分の心の状態を
6つの天気マークで会社に送るんです。その結果、上司が部下の心の状態を気にかけるようになって、
離職者も減少したということなんです。今ではこのアプリ、商品化されて60社で導入されて、
1万人以上が利用しているんです。」

 

NHKのため、社名は放送されませんでしたが、コンケアの紹介がこうしてはじまりました。

続いて、このITベンチャー企業こと、
東京メンタルヘルスと共同でコンケアを開発する、
株式会社エクスブレーンの取締役 石田さんのスカイプインタビュー。

アナウンサー、以下A:このアプリを開発されたきっかけは?

    石田さん:ひと言で申しますと、上司、管理職としての、後悔がきっかけです。
                  具体的には、自分の席から5メートルも離れていない新入社員のメンタル不調に気付けなか
                  ったということがありました。
             A:やっぱりそれは上司としても、つらい経験でした?
    石田さん:つらかったですね。自分がしっかりしていれば、クリニック等に行かなくても済んだ、自分
                  が何をしていたのかという後悔が強く残りました。
             A:企業としてメンタルヘルス不調に取り組むことの意味について、どう考えていますか?
    石田さん:今、深刻なほど、人が採用できません。採用氷河期といわれるこの時期に、会社が取るべき
                  行動は、今いる社員の方々に、安心感、安全感を持って働いてもらえるようにすることだと
                  実感しています。
                  そのためには、数字を追いかけるだけではなく、働いている方々の心をシンプルに可視化し
                  て見守っていく、小さな変化に気付く、そして予防的にフォローする仕組みを作っていく
                  ことが必要とされてきていると思います。
             A:ありがとうございました。  (一部編集)

 

テレビ初出演で、いきなり全国区デビューとなった石田さんでしたが、
終始落ち着いたご様子でのインタビューとなりました。

02

翌11日の「おはよう日本」では、

【“五月病”対策最前線!】として特集が組まれました。

五月病により、体調を崩して新入社員が出社できなくなるといった放置できない事態に、
人材不足に悩む企業が新たな対策に乗り出している、とのナレーションを皮切りに、
エクスブレーン社の社内の様子が映されると、

03

・「コンケア」の簡単な機能紹介と、「コンケア」タブレット画面のアップ
・出勤時に、タブレットの天気マークを押す社員(平野さん)のインタビュー
・雨マークが連続している部下(苫米地さん)に、上司(三友さん)が声掛けする場面
といった流れで、放送が続きました。

さらに、コンケアの開発のきっかけに話が及び、
エクスブレーン社では、かつて、精神的なことがきっかけで通院したり、
退職したりする社員が相次いでいたものの、

コンケア導入後の5年間は、離職者が1人のみに抑えられ、大幅に離職者を減らすことができた

エピソードを伝えていました。

――――(社内で)気持ちを受け取る習慣ができることで、コミュニケーションの質と量が高まり、

              完全にとはいかないが、コミュニケーションの問題が解消されていく(と考えています)

 

先のエピソードを受けて、最後は連日出演、石田さんのインタビュー映像で締め括られました。

放送後の石田さんのコメントです。
「『いつもと違う』部下に、いち早く気づき、支援を届けるための仕組みが、ひとつでも多くの企業様に
 根付くことを常々願っていましたので、今回の放送は、その想いの伝達と具体的な仕組みの訴求に
 おいて、たいへん貴重な機会をいただいたものと思っています。
 バトンをつないでいただいた東京メンタルヘルス社の皆様には、深く感謝を申し上げます。」

<コンケア紹介動画>

「LGBTは特別な存在ではない」、当事者の研修講師が今伝えたいこと

2018年04月26日

最近、新聞やテレビ、ネット記事などでも性同一性障害や同性愛など
LGBTという言葉をよく見聞きするようになったと思います。
Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシュアル、Tはトランスジェンダー
それぞれの頭文字とった性的マイノリティを表す言葉です。
先日『広辞苑』でもLGBTが取り上げられ話題になりました。

では、LGBTの人は日本でどれくらいの人数が存在すると思いますか?
調査によると全人口の5~7%(電通総研調べ、2015年)、
これは13~20人にひとりの割合になります。思っていた以上に多くはありませんか?
日本の苗字の「佐藤」「鈴木」「高橋」「田中」さんの合計は600万人いると言われていますが、
LGBTの総人口はその数に匹敵する規模があります。
そう考えると俄然身近に存在すると考えられますね。

TVやマスコミでは「オネェキャラ」のタレントさんが多く露出して華やかに場を盛り上げますが、
ほとんどのLGBTの方々は差別や偏見を恐れて、
地域や職場でセクマイ(セクシュアルマイノリティ)であることを隠しているのが実態です。
あなたの周りにLGBTの人がいないのではなく、
声を上げることが出来ない状況をわかっていただきたいです。

そんななか、日本でもいよいよ制度的な取組みがはじまりました。
2003年の性同一性障害の特例法、2017年の渋谷区のパートナーシップ証明書など、
これらの制度の動きが日本を少しずつ変革してゆくと思います。

東京レインボープライドも年々規模が大きくなって、
当事者だけでなく、各種有名企業・団体の協賛、有名人・アーティストが参加。
春の東京の風物詩になる勢いがあります。

企業の取組みでも、LGBTは特別ではない存在だと意識を変えて理解し、
企業全体がアライ(支援者・理解者)になることが望ましいと思います。
そのためには、企業研修、職場整備、制度の活用、差別や偏見によるトラブル回避などを駆使し、
一人でも多くの人がLGBTであることを隠さずストレスなく安心して働く、
そんな時代が来ることを祈ります。

☆東京メンタルヘルス カウンセラー/LGBT研修講師  熟田 桐子
※LGBT研修プログラム例はこちらをご参照下さい
※LGBTインタビューメディアサイト LGBTERによる、熟田のインタビュー記事はこちら

5月・6月病と人間関係

2017年06月2日

5月病とか6月病と呼ばれている病気があります。5月の連休明けから6月にかけて発症する精神障害のことです。新入社員が現場に適応できず「リアリティショック」を受け休み出したり、異動してきた職員が、仕事や職場環境に馴染めず、心身に症状を出したりすることです。

TMAの実施したストレスチェックで、最もストレスと答えている項目は「人間関係」です。「人間関係が面倒だ」「人間関係が悪い」「相手の反応が怖い」「無視されたらどうしよう」というのが、その中身です。人間関係が面倒になり、さらに深刻化すると、「ひきこもり状態」になります。ひきこもりの心境は、「もう話にならない」とか「関係を持ちたくない」「周りに対しては不信感でいっぱいだ」などです。人間関係を分析する学問に「交流分析」というのがあるのですが、この中では一番重症な状態と言われています。

人間関係の問題は、何も5月、6月に限ったことではありません。四六時中ある問題です。ただ過去に人間関係で傷つき、トラウマを持っている人は、ちょっとした刺激に対して反応するという特性を持ってしまいます。新入社員や異動してきた社員の中に、過去のトラウマがあったとするなら、周りの冷たい視線や怒鳴り声に反応しやすくなるのは当たり前のことです。

厚生労働省の労働局が窓口になって行っている労働相談では、パワハラを含むいじめ、いやがらせの相談件数が6万6000件(※平成27年度 出典:厚生労働省)を超え、急増しています。対策としては、信頼関係を形成する職場づくりを目指す必要がありますが、この問題は職場に限らず、学校や家庭、地域社会でも求められているところです。

心に傷があり、不安を抱えている人は、そうでない人に比べていじめを多く発見するという調査結果があります。つまり、それだけ過敏になっているということです。

                              東京メンタルヘルス 所長 武藤清栄

※ITmediaビジネスONLiNEの「6月病特集」にて、弊社所長の武藤がインタビュー取材を受けました。
 6月病に立ち向かうヒントとして、「毎日気分を記録するツールを使って、予防する」サービスである
 「コンケア」の他、企業のメンタルヘルス対策における注意点についてもお伝えしています。
 どうぞあわせてご覧ください。インタビュー記事はこちら

性をどう生きるか②~ノンセクシャルを生きる~

2016年08月15日

ある日、私のところに「自分は女性にモテない。これでは人生に暗雲が漂うばかりで、生きがいもない」と訴えるクライエントが来談された。
  
「モテる」とは、よく言われているように、人(異性・同性)から興味関心を持たれ、性的存在として魅力に富んでいることの意である。また性的存在とは、「会いたい」「一緒にいたい」といった愛慕の情や、「触れたい」など身体接触の欲求や期待を持たれる対象を指している。

 

このクライエントは、自分はそういった存在ではなかった、とこれまでを思い返していた。周りから求められてこなかったこと、必要とされてこなかったことが、性を生きる自信を失わせていたことに気づいていった。どうせ自分はモテないという思い込みが、異性に対して働きかける気力を低下させていたようである。

 

「あなたの人生にはどのような性が憑りついているのですか」とさらに投げかけてみると、クライエントは性に関する不快な体験を山ほどあげつらった。性に対して心や身体で反応する能力や、性的な喜びを体験する能力をすっかり抑圧・抑制しあきらめていたのである。言うならば性のうつ病にかかっていたとでもいったところだろうか。

 
逆説に真理ありで「性を無視して生きてみてはどうでしょう」と、クライエントに奨めたところ、溜飲が下がったようで喜んで帰られた。
 
                               東京メンタルヘルス 所長 武藤清栄

描画療法について

2016年07月28日

描画療法の1つに6場面物語構成法というものがあります。
6画面の物語構成法(The Six Parts Story Making(以下, 6PSM))は、イスラエルの心理学者Lahad(1992)によって開発された描画療法で、独自のストレス対処法を見つけ出すことができると考えられています。
6PSMは、画用紙を6分割し、セラピストの教示に従って絵を描きます。各画面には主人公・課題・援助者や援助ツール・困った状況・解決方法・結末を表現させ1つの物語を作り出すというものです。

 

方法
A4の画用紙を6分割に折り目を付けて「A4の画用紙の左上から時計回りに1コマずつ指示に従って絵を描いて、6つの場面を使って1つのお話を作ってもらいましょう」と指示します。1コマずつ教示を行いそれぞれに描画をしてもらいます。
その後、ストーリーを作ってもらい、最後に物語について質問を行います。

 

6PSMは現実の世界の自己を物語に投影させることにより、クライエントの抱える問題を浮き彫りにします。セラピストとその問題を共有してストレス対処法を見つけることを可能にするとLahad(1992)は述べています。
また、自分の抱える問題だけではなく、自分の理想や、現実の状況、自分の特性や行動パターン、援助者の価値など、今まで気づかなかった様々なことが見えてきます。
そして、6PSMは画用紙を6分割することによってクライエントが絵を描くときの負担が少なくなることと、それぞれの場面に順番に描画課題が提示されることにより、クライエントが描画表現をしやすくなるという特徴を持っています。

 

あるストーリーを紹介します。

 

テーマ:うたをうたうひと
初音ミクという歌を歌うバーチャルの女の子がいました。ミクは色々な人が曲を作りそれを歌い、色々な人が聴く、そんな日々を過ごしていました。ある日、ウィルスによる深刻なエラーで歌うことが出来なくなってしまいました。歌を作ってるうちの1人、Aさんは、ミクを歌わせてあげたいという気持ちで、ミクのためにセキュリティソフトを作りエラーを治しました。そして今でもミクは色々な人に歌を届け続けているのでした。

6場面

 

こころの奥やすみっこに隠れていたり、当たり前すぎて言葉にできなかったり、
あなたの表現したいもの、表現したかったものが見れるかもしれません。

 

東京メンタルヘルス 臨床心理士 大串保美

性をどう生きるか①

2016年07月8日

「あなたの人生は、性にどんな影響を受けたのでしょうか」
これが私のセクシュアリティの見方である。
したがってセクシュアリティのカウンセリングも、このようなスタンスで行っている。

 

ここで言う性とは、生物学的な性はもちろん、社会学的な性、つまり「ジェンダー」を含んでいる。

また、自分の性だけでなく他人の性にも影響を受けている。性が人生に影響するというのは、斯様に様々である。

 

性器レベルのような身体的な特徴もあれば、「モテるモテない」といった人気度を表す心理社会学的なレベルもある。性の差別が根底にあるセクハラの関係などもある。

 

最近は性的違和感を覚える「トランスジェンダー」の人たちも、性差別からの解放を求めている。
また近頃では、LGBTという言葉も定着しつつある。
LGBTとはL(レズビアン)G(ゲイ)B(バイセクシュアル)T(トランスジェンダー)の頭文字をとったもので性的少数派を意味する。

 

いずれにしても人は性をどのように生きるか、ということが求められているが、その手枷足枷になるのは、性をどのように教えられて、また体験してきたか、ということに潜在的ヒントがある。
つまり、それが人生の影響ということである。

 

東京メンタルヘルス  所長  武藤清栄

梅雨とメンタルヘルス

2016年06月15日

梅雨とは6月(陰暦5月)頃に降りつづく長雨のことである。
関東地方も梅雨に入り、五月雨が降ったり、どんよりと曇り空がつづき湿気が多い。

 

五月雨の「さ」は五月(さつき)、「みだれ」は水垂(みだれ)の意味で、
雨がしずくになって落ちる様や途切れがちに繰り返す様子を表現している。

 

梅雨の語源は、梅の実が熟する頃の雨という説があるが、梅雨は「黴雨」とも書き、
「カビの雨」を意味する。この時期はカビが発生し物が悪くなることに由来しているそうだ。

 

一般的には梅雨時になると気分がすぐれなくなる人が多くなり、抑うつ的になりやすい傾向がある。
梅雨空は当社サービスの「コンケア」にも反映し、「くもり」や「雨」のマークを押す人が多い。

 

しかし一方で、梅雨空を大歓迎する人がいる。太陽アレルギーを持つ人である。
太陽の紫外線に当たると「蕁麻疹」が出てしまい、熱とかゆみを訴える。アレルギーによる血管壁の過敏な反応である。
太陽アレルギーの人たちにとっては恵みの雨であろう。

 

まさに「蓼食う虫も好き好き」ということだろうか。

 

東京メンタルヘルス 所長  武藤清栄

「季節性うつ病」には光療法が効果的

2016年05月24日

「季節性感情障害」という病気があります。所謂「季節性のうつ病」のことです。
これは1984年にアメリカの精神科医ノーゼン・E.ローゼンタール(1950~)によって提唱されたうつ病の一種です。
当時、うつ病には引っ越しによる疲弊からなるうつ「引っ越しうつ病」、ストレスを伴う大きなイベントや出来事が終わった後にくる「荷下ろしうつ病」、表情は普段と変わりなかったり、笑顔を浮かべたりするが身体に症状がでるうつ「仮面うつ病」、不安や葛藤が強く、自殺念慮や企図が激しいうつ「激越性うつ病」など様々なものがあります。それはうつ病に影響した出来事や病態によって呼び方が違うのです。
しかし、1951年アメリカ精神医学会の診断基準(DCM)が出てからは、先に記した呼び方は少なくなりました。
症状やその継続性、体質や気質、そして背景となった環境などを中心に新たな診断分類が用いられるようになったからです。

 

 

ところで、季節性うつ病とはどんな病気なのでしょうか。簡単に言えば、気圧や気温、日照時間、雨や風など気象に過敏なうつ病のことです。気象に過敏になるのは何もうつ病だけではありません。花粉症に始まり、気管支喘息、関節リウマチ、適応障害、胃腸障害、紫外線障害などは有名です。

 

一般に季節性のうつ病は、湿度の高い雨天や気温が低下し、寒くなったり急に暑くなったりするような日内変動の環境下で調子を崩します。
秋冬の時期にうつ状態になり、春夏には寛解(完治までいかないが症状が治まった状態)したり、逆に躁状態になる人も少なくありません。北国ほど発症率が高いと言われています。

 

私の知っている例では、6月と12月には必ずうつ状態になる社長さんがいました。この社長さんの場合は季節というよりも、社員に対してボーナスを支払う時期と関係していました。

 

季節性うつの治療は今までは薬物療法をメインにはしますが、2500~3000ルクス(ルクス:明るさの単位。1時間当たりの日光量は約1000ルクス)の光照射療法も奏功します。
このように考えると自然にはかなわない病気がたくさんありますが、人間は知恵を用いてそれを克服することもできるのです。

 

 

東京メンタルヘルス  所長  武藤清栄