「スクールコンケア」やチャットカウンセリング活用などによる、「いじめ⾃殺・不登校ゼロプロジェクト」の寄付募集開始について

2017年10月16日

特定非営利活動法人東京メンタルヘルス・スクエア(東京都豊島区 代表理事:武藤清栄)は、
いじめの予兆を捉えるアプリ「スクールコンケア」やチャットカウンセリングの活用などによる
「いじめ自殺・不登校ゼロプロジェクト」を推進するため、本日10月16日より寄付の募集を開始します。

※同プロジェクトは、株式会社コンケア(東京都豊島区 代表取締役社長:石田有)、
 東京メンタルヘルス株式会社(東京都豊島区 代表取締役社長:武藤清栄)との共同プロジェクトです。

―― 「いじめ自殺・不登校ゼロプロジェクト」の概要

「いじめ自殺・不登校ゼロプロジェクト」は、
子どもたちへの、教育・見守り・相談の3つの取組みにより、
不登校ゼロ・いじめ自殺ゼロ・卒業後のひきこもりゼロを目指すプロジェクトです。

各取組について、「教育」では、ストレスコントロールなど複数の教育プログラムを実践し、
いじめ発生率の減少とSOS発信率の向上を目指します。

「見守り」では、タブレットアプリ(アプリ名:コンケア)を活用します。
コンケアを通じて、出席と同時にその日の気分マークを記録。出席簿と気分推移グラフを同時生成します。
日々の蓄積データから児童生徒の「気分の落ち込み」を検知すると、
スクールカウンセラーや養護教諭をはじめとした専門家など、事前設定した関係者にメール報知されます。
この「見守り」により、いじめの早期発見・早期対処を実現して参ります。

「相談」では、従来の電話相談や対面相談に加えて、チャット相談(SNSカウンセリング)を新設し、
子どもたちからの悩みに耳を傾け、気持ちに寄り添いながら、いじめ解消などに向けて
カウンセラーと学校で連携します

―― 寄付募集概要

いじめや人間関係のトラブルは、時に深刻化し悪循環に陥ると、不登校やいじめ自殺、
卒業後のひきこもりへと繋がってしまいます。
こうしたトラブルの早期発見・早期解消を実現するために、
私たちは「いじめ自殺・不登校ゼロプロジェクト」を立ち上げました。
このプロジェクトはチームメンバーの無償奉仕で支えられていますが、
学校や教育委員会への活動交通費、研修費、設備費、広報・事務費などで、
年間多額の運営費が必要となります。何卒ご支援の程、よろしくお願い申し上げます。

・寄付募集開始時期:本日10月16日より
・寄付方法:
◆オンライン(右記リンクよりお手続き願います) https://japangiving.jp//campaigns/33653
◆ゆうちょ銀行
銀行番号:9900   支店名:〇一八   口座番号:2909447
口座名義:特定非営利活動法人東京メンタルへルススクエア

◎プレスリリースのPDF版はこちら

【本件 に関するお問い合わせ先】
特定非営利活動法人東京メンタルヘルス・スクエア
〒171-0021 東京都豊島区⻄池袋2-39-8 ローズベイ池袋ビル3階
【Email】office@npo-tms.or.jp 【URL】http://www.npo-tms.or.jp/
【TEL】03-5944-8455 担当︓事業局 武藤、今成

メンタルヘルス通信 No.86のお知らせ

2017年10月12日

メンタルヘルス通信 No.86のお知らせ

今号のメンタルヘルス通信は、連載企画『スマホ依存・ネット依存・ゲーム依存』の第2回、
テーマは「ホントに怖くなってきたネット依存」です。
本稿では、そもそも依存症とは何か? そしてネット依存とは何かについてのポイントをお伝えしています。

メンタルヘルス通信は、イントラネットへの掲載やプリントアウトしての配布など、
従業員の皆様へのメンタルヘルス啓発活動などにご活用ください。

【PDF版】
メンタルヘルス通信No.86(PDF)

【テキスト版】
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NO.86 連載「スマホ依存・ネット依存・ゲーム依存」②
       ホントに怖くなってきたネット依存
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 <<ホントに怖くなってきたネット依存 >>

依存症とは、「日常生活に大きな支障をきたすほどに何か(酒、薬物、
ギャンブル等)にのめり込んでしまっているのに、やめたくてもやめら
れず、自分の力だけではどうにもならなくなってしまっている状態」の
ことを言います。

そして「ネット依存」とは、「インターネットに過度に没入し、スマホや
PCが使用できないと、苛立ちを感じるなどして、現実社会の人間関
係や心身の健康に弊害が出ているのに、その使用をやめられない
状態」
を言います。

ネット依存には、大きく2つの依存があります。
  ● SNSによるコミュニケーションへの依存
  ● オンラインゲームへの依存

どちらかというと女性はSNSに、男性はゲームにはまりやすい、と
いった傾向があります。

またネット依存の特徴として、①ネットに没入し「時間のコントロー
ル」ができなくなる、②ネットを取り上げると「パニック」のように
心を乱す、③ネットにつながる方法を何とかして手に入れようとする「探
索行動」が見られる
、といったことがあります。

ネット依存になってしまうと、生活リズムが乱れたり、人間関係が壊れ
たり、心身の健康を害したりして、日常生活に支障が出てきます。ネット
をやめられず、自分の力だけではどうにも解決しようがなくなった場合に
は、治療や専門家のサポートが必要です。

<<診断ガイドライン試案>>

では、アメリカの心理学者キンバリー・ヤング博士が作成した「ネット
依存の診断ガイドライン試案」で、ネット依存にあたるかどうかをチェッ
クしてみましょう。

【ネット依存の診断ガイドライン試案】(1998年)

□1.ネットに夢中になっていると感じていますか? 
  (前にネットでしたことを考えたり、次にネットすることをワク
   ワクして待っているなど)
□2.満足を得るためには、ネットを使用している時間をだんだん長く
   していかなければならないと感じてますか?
□3.ネット使用を制限したり、使用時間を減らしたり、完全にやめよ
   うとしたりしたが、うまくいかなかったことがたびたびありましたか?★
□4.ネットの使用時間を減らしたり、完全にやめようとしたとき、
   落ち着きのなさ、不機嫌、落ち込み、またはイライラなどを感じますか?★
□5.はじめ意図したよりも長い時間オンライン状態でいますか?
□6.ネットのために、大切な人間関係、仕事、教育や出世の機会を逃
   すようなことがありましたか?★
□7.ネットのハマり具合を隠すために、家族、治療者や他の人たちに
   対して嘘をついたことがありましたか?
□8.問題から逃れるため、または絶望的な気持ち、罪悪感、不安、落ち込み
   といった嫌な気持ちから開放される方法としてネットを使いますか?

博士は、このうち5項目以上にあてはまればネット依存症としています。
(★は特に注意した方がいいもの)

<<ネット依存はどのくらい?>>

依存症の治療で有名な神奈川県の久里浜医療センターが行った調査(成人
対象,2008年)によると、国内で依存傾向にあるのは男性 約153万人、女性
約118万人の計 約271万人と推計されました。また、ネット依存が比較的多
い子どもまでを含めると、約400万〜500万人にのぼるのではないかと推計
されています。同センターのネット依存外来の受診者でみると、中高生が約
6割と最も多く、また男女比ではおよそ7:3で男性の方が多いそうです。

また、「ICTの進化がもたらす社会へのインパクトに関する調査研究」
(総務省,平成26年)によると、ネット依存傾向が高い人は8.2%を占め、諸
外国と比べ同程度の水準でした。

この調査で特徴的だったのは、スマホ保有の有無による依存度の違いでし
た。スマホ保有者で依存傾向が高かったのは11.8%でしたが、未保有者
は4.1%と半分以下でした。
メディア環境研究所の発表では、スマホ保有
率は平成26年は59%でしたが、今年平成29年は78%にのぼるそうです。
今後のさらなるスマホの普及に比例して、ネット依存傾向の数はさらに増
えていくものと予想できます。

※ネット依存については、インターネット自体の歴史が浅く、検証できる
 データの蓄積が十分ではないこともあり、世界的に認められた診断基準
 はまだありません。ネット依存にあたるかどうかは、専門のクリニック
 などで詳しく診てもらってください。

新行内勝善 (精神保健福祉士)

連載「スマホ依存・ネット依存・ゲーム依存」 (全5回)
第1回【①1日でどのくらいスマホ、見てますか?】はこちら
第3回【③ネット依存の原因は心のスキマ】はこちら
第4回【④ストレートネック、座りすぎ、ブルーライト】はこちら
第5回【⑤ネット依存からの脱出 ~予防,回復,再発防止~】はこちら