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メンタルヘルス通信 No.87のお知らせ

2017.11.13

メンタルヘルス通信 No.87のお知らせ

今号のメンタルヘルス通信は、連載企画『スマホ依存・ネット依存・ゲーム依存』の第3回、
テーマは「ネット依存の原因は心のスキマ」です。
ネット依存の解決への道筋を見通すには、その依存の原因を理解することが重要です。

依存にまで至らなくても、ついスマホを手に取ってしまう心当たりのある方にも、
参考になる内容と思いますので、お役立て頂ければと思います。

メンタルヘルス通信は、イントラネットへの掲載やプリントアウトしての配布など、
従業員の皆様へのメンタルヘルス啓発活動などにご活用ください。

【PDF版】
メンタルヘルス通信No.87(PDF)

【テキスト版】
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NO.87 連載「スマホ依存・ネット依存・ゲーム依存」③
        ネット依存の原因は心のスキマ
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 <<ネット依存のしやすさ>>

ネット依存の直接の原因ではありませんが、まず、ネット依存を促進する
要因についておさえておきたいと思います。医学博士で『依存症のすべて』
などの著作がある廣中直行氏は、「ネット依存のしやすさ」として3つあげ
ています。

 ●ネット利用の手軽さ :いつでも、どこでも、すぐにネット
 ●身体感覚とのマッチ :手足の一部のように使える操作性
 ●感覚への適度な刺激 :通知音やバッジ、動画などのコンテンツ

「ネット利用の手軽さ」は、スマホやタブレットなど携帯しやすいネット
端末の普及と、常時接続が当たり前となったネット通信環境により、もたら
されたものです。

スマホ普及とネット利用の手軽さは、裏を返すと、過度のネット利用につ
ながり、ネット依存を招きやすくなっているという側面があるのです。

「身体感覚とのマッチ」とは、指で押したり、スライドしたりする操作の
しやすさが、スマホを手足の一部であるかのように使いやすいものとして
います。

「感覚への適度な刺激」とは、ゲームの効果音やグラフィック、メール・
メッセージ・SNSからの通知音やバッジ、ネットで手軽に見られる動画コン
テンツ、そういったものが適度な刺激となり、私たちを退屈させません。
これらの退屈しのぎに優れた点が、まさに依存の招きやすさと隣り合わせに
あるのです。

 <<ネット依存の原因>>

ネット依存の原因は大きく3つ、
①パーソナリティ ②ネットへの誘導 ③心のスキマです。

①のパーソナリティについてですが、何かに熱中しやすい人は、ネットや
ゲームにもはまりやすい傾向があります。

②のネットへの誘導については、「続きはWEBで」というのはよくありま
すが、それに限らず、コマーシャリズムというのでしょうか、広報活動にお
いては今やネットが第一手段といってもいい時代ですので、あの手この手で
ネットへ誘導していきます。またゲームは商材であり、動画コンテンツは広
告媒体ともなりますので、あらゆる手を使って利用を誘ってきます。

③の心のスキマとは、満たされない心です。上記の①②だけでは依存にま
では至りません。依存となるような場合には、ほぼこの心のスキマがあるの
です。このため、ネット依存となってしまった場合には、心のスキマへの対
処をしていかなければなりません。

「現実の人間関係でつらいことがあった」「現実世界ではあまり認めてくれ
る人がいなくてさびしい思いをしている」「現実世界ではあまり自己表現が
上手にできなくて葛藤している」「現実世界が楽しくない」など、こういっ
たことが心のスキマとなり、居場所としてのネットやゲーム、SNSに依存が
起こっていくのです。

なお、お気付きの方もいるかもしれませんが、救いと依存は似ています。
ネットやゲームは、つらい現実世界からの逃げ場であり、救いの場のような
ものとして機能している面もあるのです。それでも、依存と認められる症状
や問題が現れている場合には、人間関係や健康に害を及ぼしますので、やは
り治していかなければなりません。

新行内勝善 (精神保健福祉士)

連載「スマホ依存・ネット依存・ゲーム依存」 (全5回)
第1回【①1日でどのくらいスマホ、見てますか?】はこちら
第2回【② ホントに怖くなってきたネット依存】はこちら
第4回【④ストレートネック、座りすぎ、ブルーライト】はこちら
第5回【⑤ネット依存からの脱出 ~予防,回復,再発防止~】はこちら

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